『恋の罪〜Guilty Of Romance』…俺はまだ下品になりきっていない

本作はこの猟奇事件の担当刑事である吉田和子(水野美紀)が事件の捜査を行う過程と、人気作家の貞淑な妻・菊池いずみ(神楽坂恵)と大学の助教授である尾沢美津子(冨樫真)との出会いと交わりを、時空を前後して交互に描いていきます。

被害者はいったい誰なのか?いずみなのかそれとも美津子なのか?犯人は誰なのか?しかし本作が最も時間を裂いて語ろうとしている点はそんな事件の表層の部分では決してないのです。

実際本作ではこの事件の犯人を明示することは、あえて避けているフシがあります。

しかし、この女性がなぜ死ななければならなかったかは、たっぷりと時間を裂いて描いています。

なぜならば、それこそが本作のテーマを読み解く重要な要素に他ならないからです。

腐乱してウジが湧いた死体はその結果として隠すことなくスクリーンに晒され、水野美紀、神楽坂恵、冨樫真の3人の女優が挑む濡れ場もまたそのテーマを暗示するものとして描かれます。

そのテーマとして、やはり前作『冷たい熱帯魚』で園子温監督が村田という男に託して描いた人間の持つ二面性は、本作ではこの3人の女たちに拡大され受け継がれています。

いや‥この3人どころか、本作に登場するキャラクターはほとんどすべてが、この二面性を持ち合わせていると言っていいです。

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